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東海道名所記

坂〈○宇津山〉のあがり口に茅屋四五十家あり、家毎に十団子おうる、其大さ赤小豆ばかりにして、麻の緒につなぎ、いにしへは、十粒お一連ねしける故に十団子などゝいふならし、これにつきて、不図思ひ出せし事あり、四月十六日に、三井寺にせんだん講といふ事あり、それお俗に千団子といひならはし、団子一千おつくりて、もちてまいれば、子どもの首(かみ)かたしとかや申つたへし、