[p.0622][p.0623]
料理物語
菓子
牛房餅(○○○) ごばうおよくゆにしてたゝき、すりばちにてすりおき、さてもち米六分、うる四分のこにさたうおくはへ、牛房と一つにすりあはせ候、沙糖過候へばしろくなり申候、さてよきころに丸め、ゆにおしてごまの油にてあげ申候、その後さたうとせんじ、そのなかへいれ、に申て出し候、ごばうさたうのかげんにまるめ候時の口伝在之〈○中略〉杉原もち(○○○○)は めぐりともいふ、杉原おこまかにむしり、山のいもの葉おゆでゝ、すぢくきおとり、扠餅米六、うる四分のこおこね、ゆにして三色一度によくつきあはせ候、是は六月土用に、大臣の参物にても小臣もよし、枸杞餅(○○○) くこおゆで、よくつき、そのしるおしぼりとりて、もちうる四六のこおこね、ゆにしてよくつき申候、又直にも入申候也、五加餅(うごき /○○○)も くこ同前なり〈○中略〉御所様餅(○○○○) 南部殿伝、うるの米四分、もち六分、よくこにして、山のいもおおろしこね候て、ちいさくひらめにとり、みそ汁にてよくに候て、餅ばかりもり、沙糖おせんじかけ出し候也、さたう一升に水四分入せんじよし、