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南嶺遺稿

本式饅頭といふ事有、并に三麪三羹の事饅頭、索麪、薯麪、まんぢうは汁お添へて喰、薯麪はかけて喰ふ、索麪はつけて喰ふ、羊羹、鼈羹、臚腸羹、製は文字の通り也、右おの〳〵喰やうあり、まんぢう振廻伝有、三人より多くは不成也、客につくと饗利饌出す、つるし柿、赤鰯、つるし柿なくば白豆腐也、鰯なくば梅干也箸にて鰯一口喰、是は麪毒お消すゆへ、其箸にてすぐに柿お喰也、鰯柿に青葉おしく、膳に箸なし、右の汁は吸計なり、是お引とすぐに本膳お出す也、