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嬉遊笑覧
十上飲食
今の羊羹は昔の法に非ず、明人は豆沙糕といふとなり、宋書毛修之伝、修之嘗為羊羹、以薦虜尚書雲々あるものは、羊肉のあつものなり、菓子の羊羹は羊肝糕なり、求肥ももと牛皮糖なると同じ、獣お不潔とする故、これらの字お書改めしならめど、羊字おかへざるはいかゞ、又羹は糕と同音なる故、糕といふべきものおも、誤りて羹とかけり、