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嬉遊笑覧
十上飲食
七色菓子(○○○○)、今は甲子に大黒へ供ふれども、もと庚申に供へしなり、洛陽集、庚申夜自悦が句、一説に七色売や呼子鳥とあり、昔はこれお売者来れり、一銭にて七色お具す、難波鑑などに図あり、野葡萄の実は熟するとき、五色さま〴〵に染む故、京師の小児これお庚申の七色といふも、彼菓子色々あるにたとふるなり、又思ふに今もある十色菓子とて、飴にて作りたるものも、七色より思ひよれるなるべし、