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物類称呼
四衣食
酒さけ 出羽にていさみ(○○○)と雲、和州大峯にてごまのはい(○○○○○)と雲、今按にいさみといふは、羽州羽黒山などの行者の隠語なるべきお、俗人もそれに倣ひて、専いさみといふ事にや成けん、ごまのはいといへるも是におなじかるべし、又畿内の番匠の詞に間水(○○)といふ今はけづり(○○○)ともいふ、江戸にても番匠はけづりと雲、〈○中略〉又西国にてけんずいと雲は、灸治する節酒食お饗するおいふ、江戸にて参州酒などの味辛つよき酒お鬼ころし(○○○○)と雲、如此の類お美作にてやれいた酒(○○○○○)と雲、野州日光にて鬼ごのみ(○○○○)といふ、又駿河辺にてはてつぺん(○○○○)といふなり、