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海人藻芥
まな初め、袴著、元服、移徒以下、祝の酒肴は必ず三献と雲々、如何にも時刻延ざるやうに取沙汰する也、凡酒無量不及乱雲々、雖然後光厳院御愛酒にて御座ける程に、常に御酒宴有て、数献に及と雲々、其御代より献数加増して、或は五献、七献、九献まで被聞召たり、近比は酒の名お九献(○○)とぞ申合ける、〈○中略〉内裏仙洞には一切の食物に異名お付て被召事也、一向不存知者、当座に迷惑すべき者哉、飯お供御、酒は九献、〈○中略〉如此異名お被付、近比は将軍家にも女房達皆異名お申すと雲々、