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続古事談
一王道后宮
造酒司の大刀自(○○○)と雲つぼは三十石入也、土に深くほりすへて、わづかに二尺ばかりいでたるに、一条院の御時、ゆへなく地よりぬけ出て、かたはらにふしたりけり、人おどろきあやしみけるほどに、御門うせ給にけり、三条院御時大風ふきてかのつかさたふれにけるに、大とじ(○○○)、小刀自(○○○)、次とじ(○○○)、みなうちわりてけり、