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日本山海名産図会

袋洗 新酒成就の後、猪名川の流に袋お濯ふ、其頃お待て近卿の賤民、此洗瀝お乞えり、其味うすき醴のごとし、是又他に異なり、俳人鬼貫、賤の女や袋あらひの水の汁愛宕祭 七月二十四日、愛宕火とて、伊丹本町通りに灯お照らし、好事の作り物など営みて、天満天神の川祓にも、おさ〳〵おとることなし、此日酒家の蔵立等の大なるお見んとて、四方より群集す、是お題して、宗因、天も灯に酔りいたみの大灯籠酒家の雇人、此日より百日の期お定めて抱へさだむるの日にして、丹波丹後の困人多く幅奏すなり、