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白河楽翁公伝
土地米多けれども、酒味悪ければ、他方へも売れ難く、所の益も薄ければ、上方の造酒の方お学べとて、会津より杜氏お請ひ、藤屋といふ酒屋へ預け酒お造らせ、其後も追々上方の造方、灰の品お撰びなどする方お聞せ、御世話ありし故に、近年はむかしに替り、味宜しく成たり、