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経済録

商売の利お貪ることお雲ふに、譬へば酒は米と水とお以て造る物なれば、米価たつとき時は酒価おも貴くし、米価賤しくなれば酒価おも賤くすべき筈なるに、今は米価貴くなれば頻に酒価お貴くし、米価賤くなれば米価貴き時に造れる酒也と雲て、急には価お減ぜず、諸物皆此類也、種々に仮託して、ともすれば価お増て、一度増たる価お輒くは減ぜず、