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松の落葉

上戸下戸酒およくのむ人お上戸といひ、えのまぬお下戸といふは、いにしへ百姓の戸口おいふに、その口の多少によりて、上戸中戸下戸といふことのありしかば、酒のむことの多少お、それになぞらへていへるになん、戸口のことは、日本書紀持統天皇の巻に、大臣よりつぎ〳〵宅地おたまふことおいへるくだりに、至無位随其戸口、其上戸一町、中戸半町、下戸四分之一とあるお見てしるべし、