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玉勝間
十二
ほうしの酒おのむ事僧の酒おのむことは、釈迦の重きいましめにて、魚肉お食ふよりは、罪重きわざとしたるに、今ははゞかることなく、のむならひとなれるは、ちかき世の事かと思へば、万葉十八の巻に、家持卿の越中の国師の従僧清見に、酒おおくられたること、又東大寺の使僧平栄に、酒おおくられたる事など見えたれば、そのかみもはゞからざりしにこそ、