[p.0811]
西遊雑記

阿久根〈○薩摩〉より十町南に赤瀬村といふあり、此所には畑の中より塩お吹出す事にて、塩屋数軒あり、其塩お製するお見しに、砂お畑の中へ一面に振敷し置有、地中より塩お吹上て、其沙に付事にて、夫お海塩(○○)お取るやうにたれて、其後塩竈にて焚ば、海塩に同じ塩となる也、〈色あひ白く、味あしからず、〉中華には所々に山塩(○○)おとる所多しといへども、日本にては希の地といふべし、