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謡曲
忠度〈わき〉あまならば浦にぞ住べきに、山ある方に通はんおば、山人とこそいふべけれ、〈して〉そも海士人の汲塩おば、やがて其まヽ置候べきか、〈わき〉実に〳〵これはことはりなり、もしほたくなるゆふけむり、〈して〉たえまお遅しと塩木とる、〈わき〉道こそかはれ里ばなれの、〈して〉人音まれにすまの浦、〈わき〉ちかき後の山里に、〈して〉柴といふ物の候へば、〈地〉柴といふ物の候へば、塩木のためにかよひくる、〈○下略〉