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倭訓栞
前編十一志
しほじり 伊勢物語に、不二の山の事お、なりはしほじりのやうにてと書り、海人の潮たるゝ砂おたれはてゝ後、うちこぼしたるお塩尻といふ、今もいふ詞、炉丘也といへり、一説に融の大臣、ちかの塩がまお、六条河原にうつし、難波の塩おくませて、塩お焼たりしより、京家の人のめづらしがりて、其塩尻のかたお焼物にして、火桶に用いたるおも、同じく塩尻といふお、こゝに指てたとへばといへりとぞ、