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今昔物語
二十四
於河原院歌読共来読和歌語第四十六今昔、河原院に宇多院住ませ給けるに、失させ給ひければ、住む人も無くて、院の内荒たりけるお、紀貫之土佐国より上お行て見けるに、哀也ければ読ける、きみまさで煙たえにし塩がまのうらさびしくもみえわたるかな、と此院は陸奥国の塩竈の様お造て、潮の水お湛へ汲み入れたりければ、此く読なるべし、