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新編常陸国誌
六十六土産
醤油土浦にこれお製するもの多し、当時江戸府下にて多く用ふ、行方郡帆津倉辺にても、亀甲せふと雲醤油出る、土浦にて大黒屋と雲ものヽ製するお上品とす、印には亀甲の内に大の字おかく、故に亀甲大と称す、江戸にても上品とせり、行方郡板来よりも出、其内堀田屋と雲者の製するおよしとす、されども凡にとりては中品なり、印には山形の下に七の字おかく、仍て山七と称す、下総の銚子佐原よりも出れども、土浦の亀甲大に及ぶものなし、