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沙糖は、さたうと雲ふ、甘蔗の汁お以て製したるものなり、初め外国より毎に舶載して齎し来りしが、徳川幕府の時其法お伝へ、我那に於ても之お製するに至れり、白沙糖あり、黒沙糖あり、白沙糖お結晶せしめたるお氷沙糖と雲ふ、♯蜜は、みち、又はみつと雲ふ、蜜蜂の醞醸して造りたるものにして、薬剤にも之お用いたり、近世沙糖の煎汁お以て蜜お製す、謂ゆる沙糖蜜と称するもの是なり、♯甘葛煎は、あまづらせんと雲ふ、蘡薁藤(あまづら)の汁お以て作りたるものにして、中古甘味には専ら之お用いたり、今甘茶と称するもの蓋し是ならん、