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日本山海名物図会

薩摩大島黒沙糖♯甘蔗と雲草、俗に砂糖黍と雲、茎は竹に似て葉は黍に似たり実なし、古根nan苗お生ず、此草お取てよくたゝきくだきて煎じつめ、石灰お加へてかためたるお黒沙糖とす、百姓多くこれおつくりて年貢に納む、菓子お製するに専これお用ゆ、唐よりわたる黒沙糖よりは、色も黒く味あしゝ、唐にて白砂糖氷砂糖おこしらゆるも皆此草也、日本にては黒の外は白は不出来、