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日本山海名産図会

若狭鰈塩蔵風(ぼし)乾 是おむし鰈(○○○)と雲は塩蒸なり、火気に触れし物にはあらず、先取得し鮮物お、一夜塩水に浸し、半熟し、又砂上に置き藁薦お覆ひ、温湿気にて蒸して、後二枚づヽ尾お糸にて繋ぎ、少し乾かし、一日の止宿も忌みて即日京師に出す、其時節に於ては、日毎隔日の往還とはなれり、淡乾の品多しとはいへども、是天下の出類雲上の珍美と雲べし、