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江戸総鹿子

塩物や(○○○)小舟町 日本橋四日市広小路醢〈煎汁併入〉醢は、しヽびしほと雲ふ、肉醤の義なり、即ち鳥獣魚介の肉お以て製したる醤にして、後世鱁鮧(なしもの)或は塩辛(しほから)と称するもの、亦肉醤の一なり、而して魚の背肉と腸とにて作りたるお背腸(せわた)と雲ひ、海鼠の腸にて作りたるお海鼠腸(このわた)と雲ひ、海胆の腸にて作りたるお海胆(うに)と雲へり、煎汁は、いろりと雲ふ、鰹お煮過して取りたる汁なり、近世鰹節お造る時の煎汁お取り、滓お渣して煮たるお煮取(にとり)と雲へり、