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守貞漫稿
後集一食類
鮓散しごもく鰭(○○○○○○)、三都ともに有之、起し鰭(○○○)とも雲、飯に酢塩お加ふことは勿論にて、椎茸、木茸、玉子焼、紫海苔、芽紫蘇、蓮根、笋、蚫、海老、魚肉は生お酢に漬たる等、皆細かに刻み、飯に交へ、井鉢に入れ、表に金糸玉子焼などお置きたり、井と雲は、一人分お小井鉢にいれて、価百文或は百五十文許也、或は数客の所へ大器に入れ出し、手塩皿などに取分て食すもあり、京坂に江戸鮓お伝へ製せざる前は是お精とし、押鮓お粗とす、江戸は握鮓もごもく鮓も同比とす、ともに精粗あり、