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今川大双紙

食物之式法の事一羹のさんばの事、総じてさんばのかんは下にあり、上なるおばさんばにとらぬ事也、さんばのおき所ちやつの中也、さいのかずほどかんはあるべき物也、一番にすいとん、二番に羹、三番に饅頭、四番めんす、此中は一番はかんの内に不入、つぎより本とす、めんすのさきに、かんはいくつもあるべき也、一かんにすさひくひ合する事、鼈かん(○○○)には里の物大根などおすべし、其ゆへはべつの字おばかめとよむ、かめは海河の物也、海岡とくひ合する也、やうかん(○○○○)などには、海草おくひ合する也、是は山海と喰也、ろちやうかん(○○○○○○)は、鱸の腹わたおまねたり、是は山里のものお、すさいにくふべきなり、一しやきん(○○○○)と雲かんは、こがねおつゝむ様也、橘の如し、是は包めおくいきつてくふべき也、