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豆腐は、大豆お水に浸し、磑して之お砕き、少許の油お加へて煮たる後、濾過して滓お去り、更に濁水お去りて再び煮、凝結して面に浮べる者お汲み取り、其汁に塩炉汁お和して凝結せしめ、之お櫃中に盛り、石お以て圧して製するなり、豆腐お串に貫きて炙り、味噌お施したるお田楽と称す、其他調理の法頗る多し、豆腐皮は、又湯婆と雲ふ、粗豆腐お作る法と同じくして、其煮沸したる表面の皮お、数次取上げおきて、之お乾して製したるものなり、