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豆腐百珍
初編
うつろ豆腐(○○○○○)の伝一生豆腐小半丁切て、深き石鉢類に入、水にうかしかなあみに火おのせ、水中のとうふまはしながら四方おやき、其とうふお菓子昆布に包み、細き縄にて巻、大釜にて一日能煮れば、かたち岩のごとくになるお、味淋と醤油にて味お付る也、 ぎせい豆腐(○○○○○)の伝一生のとうふ能々煮抜くづし、ざるに上げ、水お切て味りんと腐油にて味お付、また角鍋へ胡麻の油お引、右豆腐お入、能々煮蓋お入て、石にておしおかけ、一夜置て切るべし、 胡麻豆腐(○○○○)の伝一白ごまの皮おむき、ほどよくほうろくにていり、すり鉢にて能々すり、ごま壱升へ葛五合入、水二升ほどおくはへて鍋に入、能々煮詰て切溜の蓋へ布お敷流し、しばらくさまして切也、火かげん口伝、一胡桃豆腐(○○○○)仕様同断 一枝豆とうふ(○○○○○)仕様同断