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橘庵漫筆
二編二
秋斎の筆記せしものに、香の物は、生大根に限る也、〈○中略〉と雲り、〈○中略〉香の物は、とかく生大根といふ説お上げる証に、屠蘇献酌の人に、生大根お被下ることなどおかき、或は東山殿物数寄にて、瓜茄子お漬初しよしお書けり、例の的(てき)が英雄人お欺く杜撰なるべし、