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四季漬物塩嘉言
菜漬つけ菜およく洗ひ、かぶお切すて、庖丁目おいれて漬るなり、桶の大小、菜の多少によりて、塩加減見計ふべし、菜は余り圧がつよすぎれば、葉の色赤くなる物なり、京糸菜漬(○○○○)関東には少けれど、近来京の水菜の種お植て所々にあり、一株にて百茎余りあり、かぶの根お切、庖丁目お多くいれて土お洗ひ、甘塩にてつけるがよし、水あがりてもあくといふもの少もなし、上品なる物なり、奈良漬、味噌漬の香の物に附合す、