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嬉遊笑覧
十上飲食
庭訓往来に、醍醐独活牙といへるは、〓木の春の芽出し欵冬花に似たるお、たらぼうといふ、味土当(うど)帰に似たる是なり、又鞍馬木芽漬は、通草(あけび)忍冬木天蓼(またヽび)等の、春末夏初の新葉なり、安斎雲、出羽国人の談に、其土俗毎年四月老若男女山野に出て、木芽お採て煮て食し、或は塩に漬て蓄ふ、其木芽といふは、あけびの芽なり、あけびは木通なり、鞍馬の木芽漬も是なりといふ、今も曲物に入れて送る、細かにきざみて塩気ありと雲、