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倭訓栞
前編二十爾
にらぎ 和名抄に葅およめり、楡樹の義なるべし、葅お造る法は、式に見えたり、後に辣菜と称するも是也、下学集にみゆといへり、新撰字鏡に〓およめり、字考得ず、 ○按ずるに、倭名類聚抄には葅おにらきと訓じ、新撰字鏡にすほりと訓ずるに拠れば、にらき即ちすヽほりにして、同物なるが如し、然れども延喜内膳式には、葅と須々保利とお列挙し、葅は塩と楡粉とお和して漬け、須々保利は塩と大豆とお和して漬くる由見えたれば、蓋し同物に非ざるべし、