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守貞漫稿
六生業
漬物売京坂にて茎屋(○○)くきやと訓す、昔は大根等の茎漬おうりし也、〈○中略〉江戸にては漬物屋(○○○)と雲、〈○中略〉江戸は諸香物及び煮豆、嘗物味噌の類おも兼売る、〈○中略〉因曰、江戸京橋北に川村与兵衛と雲香物店あり、近年諸漬物お薄くきり、数品お交へ、折に納め売之、音物方物等に用ふ所也、甚美にして蒸菓子折に似たり、小折百四十八文ばかり、中折、大折准之、此他三都とも此製お見ず、 菜の塩押し、沢庵漬、茄子塩押、同酒粕漬、同大根、又は大根薑の梅酢漬、茄子辛子漬、梅干漬、同紫蘇葉、らつきやう漬等の外に、嘗味噌及び煮豆おうる、