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人に、男女の両性あり、男お、おと雲ひ、おとこと雲ひ、おのこと雲ひ又男子と雲ふ、女お、めと雲ひ、おみなと雲ひ、めのこと雲ひ、又女子若しくは女人と雲ふ、又男子は女人に比して強壮なるお以て、益荒夫(ますあらお)と雲ひ、女子は繊弱なるお以て、手弱女(たおやめ)とも雲へり、而して男女には、又容貌の美醜あり、身体の長短ありて、各〈ゝ〉其称呼お異にせり、人は、其年齢に応じて、少、壮、老の別あり、少は、おさなしと雲ひ、いとけなしと雲ひ、又わかしとも雲ふ、又赤子(あかご)と雲ひ、児(ちご)と雲ひ、若子(わくご)と雲ふは、皆小児の謂にして、或は頭髪お以て、緑子(みどりこ)、髫(めざし)、髫髪(うない)、総角(あげまき)等に別てり、並に成年に達せざる者の称なり、壮はおとなしと雲ひ、たけしと雲ひ、又おとこざかりとも雲ふ、即ち成人の称なり、老はおいと雲ひ、又としよりと雲ふ、而して其老男お翁(おきな)と雲ひ、老女お嫗(おみな)と雲へり、並に壮年お過ぎたる者の称なり、