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古事記伝

伊賀(いが)、此は他に例もなく、甚心得がたき言なるお、試に強ていはヾ、伊賀国風土記伊賀郡処に、猿田彦神女吾娥津媛命雲々、此神之依知守国、謂吾娥(あが)之郡雲々、後改伊賀、吾娥之音転也とあり、〈○註略〉是に依に伊賀は阿賀(あが)と通へり、さて於能礼(おのれ)とは自己お雲称なるに、又人お賤しめて雲にも用ひ、〈今世にも然り○中略〉意礼(おれ)とは人お賤しめて雲称なるお、今世には自己のことお然雲、此らの例お以見れば、阿賀(あが)と雲も、自己のことなるお、又人お賤しめて雲にも用ひしにや、是又今世にも然り、