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平治物語

源氏勢汰事
悪右衛門督信頼は、赤地錦直垂に、紫下濃の鎧に、菊の袷金物打たるに、金作の太刀お帯、白星の甲に鍬形打たるお猪頸に著なし、紫宸殿の額の間に尻おかけてぞ居給ける、生年二十七.大の男の眉目よきが(○○○○○)、美麗の武具は著給たり、其心こそ知ね共、あはれ大将やとぞ見へたりける、