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袖中抄
六
くめぢのはし〈○いははし○中略〉
顕昭考雲、〈○中略〉行者〈○役小角〉筏鬼神おめしつかひて、水おくみ、薪おひろはしむ、したがはぬものなし、あまたの鬼神おめして、葛木の山と、金の御峯とに橋おつくりわたせ、我かよふ道にせんといふ、神どもうれへなげヽ共まぬかれず、せめおほすれば、わびて大なる石八お運てつくりとヽのへて、わたしはじむ、ひるはかたち見にくし、夜かくれてつくりわたさんといひて、よるいそぎつくる、行者かつらぎの一言主の神おめしとりていはく、なにの恥あればか形おかくすべき、おそくはなつくりといかりて、呪おもて、神お縛て谷の底におきつ、
顕昭考雲、〈○中略〉行者〈○役小角〉筏鬼神おめしつかひて、水おくみ、薪おひろはしむ、したがはぬものなし、あまたの鬼神おめして、葛木の山と、金の御峯とに橋おつくりわたせ、我かよふ道にせんといふ、神どもうれへなげヽ共まぬかれず、せめおほすれば、わびて大なる石八お運てつくりとヽのへて、わたしはじむ、ひるはかたち見にくし、夜かくれてつくりわたさんといひて、よるいそぎつくる、行者かつらぎの一言主の神おめしとりていはく、なにの恥あればか形おかくすべき、おそくはなつくりといかりて、呪おもて、神お縛て谷の底におきつ、