[p.0079]
倭訓栞
前編四/宇
うない 万葉集に、童女、髫髪などおよみ、新撰字鏡には髠およめり、和名抄に俗用垂髪二字と見え、宗祇の説に、十二三までおいふといへり、項居の義、髪おあげねば項にある意なるべし、男女お通じて歌にもよめり、続日本紀に弱児おうないごとよめり、うないおとめといふも同じ、〈○中略〉
うないばなり(○○○○○○) 万葉集に、放髪鉱、又童放およめり、称未著冠女と注せり、うないは項居の義、はなちの髪ともいふ意也、されば八歳子となりては、きらで長からしむ、それより十四五歳と成て、男するまでも垂てのみあれば、なほもうないばなりとも、わらはともいへり、