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栄花物語
十七/音楽
御堂〈○法成寺〉供養治安二〈○二原作三、拠一本改、〉年七月十四日と、さだめさせ給へれば、よろづおしづ心なうよるおひるにおぼもめしいとなませ給、池ほる翁の、あやしきかげのうつれるおみて、
くもりなきかヾみとみがく池のおもにうつれるかげのはづかしきかな、といふおきヽて、かしらしろきおいぼうし、
かくばかりさやけくてれる夏の日にわがいたヾきの雪ぞきえせぬ、といふも、ものおおもひしるにやとあはれなり、