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古今著聞集
十八/飲食
ある人のもとに、わかきさふらひ共よりあひて、大雁おくはんとて、したヽめける所へ年寄たるさふらひ一人来たりければ、いかヾして此雁おくはせじとおもひて、殿へめされ給に、いそぎ参り給へと、わかき侍共いひければ、老たる侍、この雁おわれにくはせじとて、かくいふとは思ながら其座お立て、かた〳〵にてかくぞよみける、
こヽうえつ雁くはんとてわかたうが老たる物おはじきだすとは