[p.0100]
万葉集
四/相聞
大伴坂上郎女、従跡見庄贈賜留宅女子大嬢歌一首〈並〉短歌
常呼二跡(とこよにと)、吾行莫国(わがゆかなくに)、小金門爾(こかなどに)、物悲良爾(ものかなしらに)、念有之(おもへりし)、吾児乃刀自緒(わがこのとじお)、野干玉之(ぬばたまの)、夜昼跡不言(よるひるといはず)、念二思(おもふにし)、吾身者痩奴(わがみはやせぬ)、嘆丹師(なげくにし)、袖左倍添奴(そでさへぬれぬ)、如是許(かくばかり)、本名四恋者(もとなしこひば)、古郷爾(ふるさとに)、此月期呂毛(このつきごろも)、有勝益士(ありがてましお)、
反歌
朝髪之(あさがみの)、念乱而(おもひみだれて)、如是許(かくばかり)、名姉之恋曾夢爾所見家留(なにかこふれぞいめにみえける)、