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源氏物語
五十一/浮舟
なにばかりのしぞく(○○○)にかはあらん、いとよくもにかよひたるけはひかなと思くらぶるに、心はづかしげにて、あてなる所はかれはいとこよなし、これはたヾらうたげに、こまかなる所ぞ、いとおかしき、ようしうなりあはぬ所おみつけたらんにてだに、さばかりゆかしと覚ししめたる人お、それとみてさてやみ給べき御心ならねば、ましてくまもなくみ給に、いかでかこれおわがものにはなすべきと、わりなくおぼしまどひぬ、