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古史徴
一夏/開題記
新撰姓氏録の論〈○中略〉
此は上にも引る、路真人出自諡敏達皇子難波王也とある次に、守山真人同祖難波王之後也とある類おいへり、〈其は同祖と雲は、上に論へる如く慥なるかれ、之後と雲は、下に弁ふ如く、狐疑に渉るお雲例なればなり、〉此は守山真人の祖は(○○○○○○○)、敏達天皇(○○○○)なることは、古記本系並に記し載せて慥なれど、宗お難波王(○○○○○)と為たるは、古記にまれ本系にまれ、一方に見えて、一方には漏たる故に、疑なきにしも非ざれば、かく録されたるなり、〈○中略〉
抑この録、文は約なれども、抄略したる本の伝はれるには非ず、元来の全き書なることは、各々姓々の下に録せる文と、上に引りし、桓武天皇紀十八年の詔命に、令載始祖(○○)及別祖(○○)等名、勿列枝流並継嗣歴名、あるに熟く符るお以て知べし、