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源氏物語
十八/松風
むかし、はヽ君〈○明石姫君母明石上〉の御おほぢ(○○○)中務の宮ときこえけるが、らうじ給ひける所、大い河のわたりにありけるお、その御のち、はか〴〵しうあひつぐ人もなくて、としごろあれまどふお思いでヽ、かの時よりつたはりてやどもりのやうにて、ある人およびとりてかたらふ、