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拾遺和歌集
八/雑
菅原の大臣冠し侍りける夜、はヽのよみ侍りける、
久かたの月の桂もおるばかり家の風おもふかせてしがな
○按ずるに、菅公は貞観元年に年十五歳にして冠す、四年に試られて及第文章生に補する由、 公卿補任に見ゆ、母氏は伴氏、貞観十四年正月十四日に卒すと文草に見ゆ、月桂お折とは及第 の故事なり、