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善庵随筆
生母にあらずして、子お養育する母お、まヽ母といひ、生子にあらずして、養育お受る子お、まヽ子といふ、まヽは養育の義にて、小児に乳お飲付する、今の乳母の事なり、これお古へ乳付けといふ、東鑑に、武衛〈頼朝卿おいふ〉乳付けの青女お召さる、摩々と号すとあるにて知るべし、これより転称して、小児の乳お飲むお、まヽと雲ひ、今にては、小児の飯お喫するおもまヽと雲ふことにはなりし、