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古事記伝
二十二
庶母は、美麻々波々(みまヽはヽ)と訓べし、〈美は御なり〉和名抄に、継父和名万々知々、継母万々波波、〈今の本には、万々波々と雲和名はなし、古本にあり、〉字鏡に、嫡母万々波々(まヽはヽ)、庶兄万々兄(まヽせ)などあり、相照して心得べし、〈庶母は、継母嫡母などとは異なれども、嫡と雲庶と雲継と雲は、漢国にての差別にてこそあれ、皇国にては、其差別にはかゝはらず、たヾ非所生母お麻々母と雲、非所生子お、麻々子と雲り、されば嫡母庶母継母、みな麻々母なり、庶兄お万々兄とあるにても知べし、(中略)延佳本に、あらめいろはと訓るは非なり、〉