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大和物語

故御息所の御あねおほいこにあたり給けるなん、いとらう〳〵しく、うたよみ給ことも、おとうとたち御やす所よりもまさりてなむいますがりける、若きときにめおやはうせ給にけり、まヽはヽ(○○○○)の手にいますがりければ、心にものヽかなはぬときもありけり、さてよみ給ける、
ありはてぬいのちまつまのほどばかりうきことしげくなげかずもがなとなんよみ給ける、