[p.0152]
寒川入道筆記
落書附誹諧之事
一中むかしのことかとよ、都に公事聞の奉行あり、一段と正路に批判せられたと、しかしながら 女中方より耳へ入ることは皆理になるときに、
かみさま(○○○○)の御前で公事がすむならばまヽのやうなる批判なるべし、とかく女房にはたか きもいやしきも心がとらるヽと、
一多賀豊後に所司代仰付られ候時に、女じやもの(○○○○○)に談合仕り御返事申上うといふた、猶じや、こ の女じやものに談合申すといふに説々おほしといへども、たヾ女公事取次など究めてと思 ひ右のごとく申上た事じや、〈○下略〉