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相州兵乱記

公方御他界之事、附御台所御歌の事
永禄三年の暮に氏康御隠居あり、号万松軒、〈○中略〉姫君六人おはします、何れも器用の君達なり、其六人と申すは高林院殿、まい田殿〈せたかいの御所吉艮殿の御前〉常陸殿内室(○○)〈七まがり殿是なり〉氏真の御前(○○)〈早川殿と申す〉武田勝頼の御前(○○)〈是は甲州にて御生害〉等也、
○按ずるに、援に御前と雲ひ、或は内室と雲ふは、其夫の地位によりて、其称お異にせしものな らん、