[p.0154][p.0155]
貞丈雑記
二/人品
一人の妻お御料人と雲事、料ははからふとよみて、内所の事どもお、取りはからふ故也、御料と雲も、御料人お略したる詞也、今時人のむすめの事お、御料とも御料人とも雲人有り、あやまり也、よめ入せずばいふまじき事也、〈光大曰、御料と雲は、人の妻の事のみにかぎらず、打つけに其名おいはずして、尊みて雲ふ詞也、曾我物語などに、頼朝の事な御料と雲ふたる事所々に見えたり、〉