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空穂物語
梅の花笠
みかどさいなどもいづれおかいてものすらん、おとヾなるたヾがげおなんいてまかりける、それおおもひなくりなおとヾたヾいまかれひとりおなんもて侍なる、ほんさい(○○○○)どもみなわすれ侍てとそうし給へば、いとけうあるねぬ御もとの人は、花のかげにすえたり、なかより御ふみおうちにいるれば、おとヾいと見まほしくおぼさるれど、えいり給はず、北方御ふみお見給て、わらひ給ふ、